事業再生・債権管理Newsletter 2021年3月号を発行いたしました

2021.03.09

事業再生・債権管理Newsletter 2021年3月号を発行いたしました。

事業再生・債権管理Newsletterバックナンバーはこちらからご覧いただけます。

*******************************************************************************************

1. グループ企業の事業再生における再建計画(弁済計画)について(弁護士 野上 昌樹

1 グループ企業の事業再生について
  昨今、企業グループに属している複数の企業が同時に破綻するケースを見ることがあります。それぞれの企業が担っている事業が密接に関係している場合や、金融機関への窓口 がグループ内で決まっており、その企業からの融資によりグループ全体の資金繰りが維持されている場合などでは、1社の破綻がグループ全体の破綻へと繋がるケースも少なくないようです。
 このような企業グループに属している複数の企業が破綻した場合には、以下のような特徴を有することがあります。
 ① 債権者である仕入先企業が、具体的な取引先である企業というよりもグループ全体に対する信用を基礎に取引関係を維持しているにもかかわらず、資金管理を特定の企業が担っているといった理由などにより、グループ 各企業の財務状態に大きな偏りがある。
 ② グループ企業間の債権債務関係が錯綜し、また、外部債権者に対する保証や物上保証の関係が錯綜してい る。
 前者のような事情がある場合には、個別の企業毎に再建計画を立案し弁済を行うことになると、グループ全体の信用に基づき取引を行ったにもかかわらず、どの企業の債権者によって大きく弁済率が異なることになり、実態にそぐわない結果がもたらされることになります。また、後者のような事情がある場合には、グループ内企業同士で弁済が循環したりするなど、グループ企業を個別に取り扱うと技術的に面倒になることが考えられます。
 以上のような問題点がある場合には、再建計画・弁済計画を立案するにあたって、グループ企業を一体的に取り扱った上で問題点を回避する工夫が行われてきています。
 これは、後述するアメリカ連邦倒産法において判例法上発達したルールである『実体的併合の法理』にならった工夫です。
 本稿では、公表されている実例が多い、会社更生、民事再生といった法的手続きにおけるグループ企業の再建計画・弁済計画についてご紹介します(なお、私的整理でも、事業再生ADRなどでは、同様の処理が蓄積していっているようです。)。
 法的手続きにおいては、会社法の特則として更生計画による合併が認められている会社更生手続きにおいて多くの実例があり、最近では民事再生手続きにおいても散見されるようになってきています。
 なお、会社更生手続きにおいて、更生計画中に合併を定めながらも、一体的処理を行わない実例も多数あり、上記のような事情があったとしても全てのケースについて一体的処理が行われてきているものではないことについては、ご留意いただければと思います。(続きはPDFをご覧ください

2. 否認権についてのおさらい(ある裁判例を題材に) (弁護士 山内 邦昭

1. はじめに 
  破産、民事再生といった法的倒産手続を論じるにおいて、切っても切れない関係にあるのが、「否認」あるいは「否認権」です。
 特に、ある債務者に対して債権を有する債権者の立場に立ってみれば、債務者が経営の危機に瀕していることを知ったとすれば、どういったことを考えるでしょうか。おそらく大部分の債権者は、何とか自分は損をしないようにと、我先にでも債権回収をしたいと考えられるのではないでしょうか。
 何もない時には、当然、熱心な権利行使をする債権者こそが保護されてしかるべきです。翻って、債務者の経営状態が悪化しているときにそのような自由な債権回収を認めていては、結局、早い者勝ちを助長し、その後に引き続く法的倒産手続の実効性を失わせ、ひいては誰もそのような手続に服することはなくなります。
 そこで、法律は、こうした債権回収行為に一定の歯止めをかけ、逸出した財産を財団に戻させ、以て債権者全員に対する弁済原資とする制度を設けています。これが「否認」のうち、一般に偏頗(へんぱ)行為否認と呼ばれるものです。
 本稿では、基本的なところから、再度偏頗行為否認についておさらいした上で、近時出された要注目の裁判例を検討したいと思います。(続きはPDFをご覧ください

年度で探す

お問い合わせはこちら

ページTOPへ