事業再生・債権管理Newsletter 2021年7月号を発行いたしました

2021.07.13

事業再生・債権管理Newsletter 2021年7月号を発行いたしました。

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1.  建設機械と即時取得(弁護士 若杉 洋一

1 考察
 建設土木作業に用いられる建機・重機(以下「建設機械」という。)には比較的高額のものが多い。資金繰りに窮した建設機械の使用者が、リース物件や所有権が留保された物件であるにもかかわらず、資金を得るために、事情を秘匿して建設機械を第三者に売却することがある。このような場合に、真の所有者から返還を請求された当該第三者が、建設機械の即時取得を主張して争う事案が見受けられる。
 即時取得が認められるためには、平穏、かつ公然と、取引行為によって占有を始めることに加えて、前主の無権限につき善意・無過失であることが必要であるところ(民法192条)、建設機械の即時取得が主張される事案では、過失の有無が争点となることが多い。
 今回ご紹介する仙台高裁R2 .8.6判決(金融商事判例1607号 51頁。以下「本判決 」という。)も、建設機械であ る ク ラッシャー、ショベルに対する即時取得の成否に関し、過失の有無が争点となった事案である。詳細は本文2項乃至4項に記載したとおりである。...(続きはPDFをご覧ください

2. 新型コロナウイルス感染症と個人債務の整理手続ー自然災害ガイドラインの新型コロナウイルス特則をご存知ですかー(弁護士 渡邊 一誠

1 新型コロナウイルスの影響を受けた個人の債務整理の新たな手法
 新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な感染拡大は、ワクチンの接種開始により改善が期待されるものの、いまなお収束を見ていません。我が国においても、令和3年6月30日現在、新型コロナワクチンの接種回数は約4491万回で、2回目の接種が完了した方の割合は約8%にとどまっており、飲食業をはじめ、多くの業種で今なお新型コロナウイルスの影 響が出ています。
 このような状況の中、事業や雇用、生活を守るための各種の公的支援制度が行われていますが、新型コロナウイルスの影響を受けて住宅ローンや事業性ローンなどの個人債務の返済に窮する個人の方が生活や事業を立て直すためには、債権者との任意の協議や特定調停手続(本稿でご説明する特則によらない手続)によって解決が図れない限り、破産手続や個人再生手続といった法的倒産手続を取らざるを得ない状況にありました。
 そこで、破産手続等の法的倒産手続によらず、特定調停手続を活用した債務整理により債務免除を行うことによって、自助努力により生活や事業の再建を支援することを目的として、令和2年10月30日、自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン研究会により、『「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を新型コロナウイルス感染症に適用する場合の特則』(以下「本特則」といいます。)が取りまとめられ、令和2年12月1日から適用が開始されました。
 そこで本稿では、本特則による債務整理の手続について概観したいと思います。... ( 続きはPDFをご覧ください

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