プロジェクトファイナンスは、特定のプロジェクトからのキャッシュフローに依拠した資金調達手法として、国内外で多く利用されてきました。代表的なプロジェクトは、資源･エネルギー開発、インフラ整備、プラント建設等であり、この十数年間においては、再生可能エネルギー発電事業のためのプロジェクトファイナンスが拡大してきました。現在、気候変動リスクへの対応が喫緊の課題として認識される中、温室効果ガス削減の手段として再生可能エネルギー発電事業の活用が不可欠とされていますので、その重要性は一層高まっているといえます。
もっとも、近年では、再エネ海域利用法下での洋上風力発電プロジェクトの登場、FIT制度からFIP制度への移行、コーポレートPPAの普及等により、再生可能エネルギー発電事業は新たな局面を迎えているといえます。これらの新たな事業形態･制度においては、従来からの再生可能エネルギー発電事業におけるプロジェクトファイナンスの考え方が背景にありますので、事業を実施するにあたってはプロジェクトファイナンスの基本的な考え方の習得が必須になります。例えば、洋上風力発電プロジェクトについては、従来からのリスクシェアリング・リスクコントロールの発想を前提として、洋上風力発電プロジェクトにおける固有のリスクをどのように分担・管理するかを検討する必要がありますし、FIT制度からFIP制度への移行については、プロジェクトファイナンスにおけるキャッシュフローの安定性の重要さを理解した上で、売電価格が固定価格から変動価格になることの問題を検討する必要があります。
　そこで、本セミナーでは、メガバンクや大手発電事業者等のアドバイザーとして各種プロジェクトファイナンスで豊富な実績を有する講師が、プロジェクトファイナンスの基本に立ち返って考え方を整理した上、洋上風力発電プロジェクト等の近年の課題におけるポイントを解説します。
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